令和7年2月27日(木)、畜産センター公園にて、NPO法人ふれあいの森自然学校の皆さんにより、椿洞ワクドキ自然散策会が開催されました。
この散策会は定期的に開催されていますが、今回は52人もの参加者が集まり、ふれあいの森自然学校の皆さんが驚くほどの盛況ぶりでした。
通常ならば一団で順次、散策するのですが、今回は大人数のため、2つのグループに分かれて散策することになりました。
お題については、野鳥と冬芽に注目して散策するとのことでした。
散策の前に、冬芽の構造は植物によって様々であること、野鳥については季節や渡りがあるかどうかによって、夏鳥、冬鳥、留鳥、漂鳥、旅鳥、迷鳥など様々な呼び方があることなどの解説がありました。
写真は、この地域では留鳥であるトラツグミです。昔は鵺(ぬえ)とも呼ばれていました。
最初に解説があった植物は、カラタネオガタマです。
中国南部原産で、神社、公園などに植栽されています。花はバナナのような甘い香りがします。
カラタネオガタマの冬芽である花芽と葉芽はどちらもフサフサの毛で覆われています。
写真は花芽です。葉芽は丸っこくなく、尖った形をしています。
次に解説があったのはニセアカシアです。
ニセアカシアは北アメリカ原産で、痩せた土地でもよく育つため、護岸強化などのために各地で植栽されてきました。その後、ミモザとも呼ばれるアカシアが入ってきたことから、区別するためにニセアカシアと呼ばれるようになりました。
ちなみにアカシアの蜂蜜の元はニセアカシアであり、ややこしいことになっていますとのことでした。
ニセアカシアの冬芽は、隠芽といってトゲとトゲの間に埋もれています。そしてトゲとトゲの間から芽が成長します。
寒い時期でも花を咲かせている植物もあります。写真はオオイヌノフグリの花です。
冬芽の中には裸芽といって、殻とかに包まれず、葉がむき出しのまま芽を構成するものもあります。写真はアジサイの裸芽です。
写真はクズの葉痕です。葉が落ちた跡が人の顔のように見えることがあるそうです。
次に解説があったのはジンチョウゲです。ジンチョウゲはキンモクセイ、クチナシとともに日本三大香木とも呼ばれています。
続いて解説があったのはトチノキです。トチノキの実は食べることができます。
写真はトチノキの冬芽です。粘々した樹脂で芽が覆われていて、寒さをしのいでいます。
ミヤマシキミは日陰でもよく育つので、生垣などに植栽されることがあります。葉は有毒です。葉には油点があり、目立ちます。
ここから少し移動しました。
続いて解説があったのはネコヤナギです。ネコヤナギには雄の木と雌の木があります。
花穂が銀白色のフサフサの毛に覆われますが、その様子がネコの尾を思わせることから、ネコヤナギと呼ばれるようになったそうです。
写真はアカメガシワの冬芽です。アカメガシワの冬芽もアジサイと同じく裸芽ですが、万歳をしているような面白い形をしています。
ここから野鳥を観察するため、松尾ヶ池へ移動しました。
松尾ヶ池では、カモの仲間が泳いでいました。
確認できたカモですが、マガモ、ヒドリガモ、カルガモとのことでした。
近くにはメジロの巣がありました。もちろんヒナが巣立った後の巣です。
メジロの巣には様々な材料が使われます。この巣ではクモの糸などが使われていました。
そして、ここではコブシの花芽と葉芽についても解説がありました。
丸っこい花芽、尖った葉芽の両方とも、フサフサの毛で覆われています。コブシは早春に開花するので、花芽はだいぶ大きくなっていました。
出発点近くまで戻ってきました。皆さん、お疲れ様でした。そして、ふれあいの森自然学校の皆さん、ありがとうございました。
今回もいろいろなことについて、楽しく学ぶことができました。椿洞の散策会については、今年度はこれで終了です。
3月26日(水)、ながら川ふれあいの森にて、今年度最後の散策会が開催される予定です。
散策してみて、春の訪れを実感してみてはいかがでしょうか。
岐阜市環境保全課