| | 金華山といえば、昼間でも薄暗く1年中青々とした緑の葉をつけるツブラジイの森が特徴的ですが、昔からツブラの森が広がっていたわけではないのです。昔は、金華山はアカマツの森が広がり森の中は今よりも明るく、また金華山のアカマツは長良川の鵜飼いのかがり火用の材として使われたと言われています。
では、アカマツの森から今のツブラジイの森にどのように移り変わっていったの? 金華山は上記で書いたように江戸時代には天領、明治以降は官林・国有林として保護をされてきたためその他の山とは違い、一般の人たちの生活のための木の伐採が行われなかったため、 森は自然に移り変わっていったと考えられています。 アカマツの森では青々とした木が山をおおうため森が少し暗くなります。こうなると明るい場所を好むアカマツは新しい芽を出せません。そうしていると少し薄暗くても成長できるアベマキやコナラの落葉高木(秋に葉を落とす高い木)が下から成長してきます。こうしてアカマツの森は、アベマキやコナラの森へと移り変わっていくのです。 コナラ・アベマキの森からツブラジイの森も同じように移っていったと考えられます。ツブラジイはアベマキやコナラなどよりさらに薄暗くところでも成長することができます。ツブラジイは常緑広葉樹(1年中緑の葉をつける)なので森をさら暗くしました。このような移り変わりを江戸時代から400年くらいの時をかけ森が現在の森へと移り変わっていったのです。 金華山のようなこの状態を極相林といいます。全国的に市街地に近い山で極相林の山が残っているのは非常に珍しいといわれています。
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