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令和8年度 第1回生物多様性シンポジウムを開催しました


2026-10-05

9月5日(土曜日)、みんなの森ぎふメディアコスモスかんがえるスタジオで、令和8年度第1回岐阜市生物多様性シンポジウムを開催しました。

本シンポジウムは、生物多様性の保全などについて市民の皆さんと一緒に考えるイベントとして開催しています。
今回は、「カッコウの繁殖戦略 -托卵する鳥 される鳥-」をテーマに日本野鳥の会 岐阜 顧問 大塚氏に講演していただきました。

講演「カッコウの繁殖戦略 -托卵する鳥 される鳥-」
日本野鳥の会 岐阜 顧問 大塚 之稔 氏

カッコウは自ら巣を作らず、他の鳥の巣に卵を産み、子育てを任せる「托卵」を行う鳥です。
講演では、カッコウが托卵相手に合わせて卵の色や模様を似せたり、産卵のタイミングを見極めたりするなど、繁殖を成功させるための巧みな戦略について紹介していただきました。
また、托卵される鳥もカッコウの卵を見分けて排除するなどの対抗策を持っており、互いに影響しながら進化してきたことが分かりました。実際の調査事例や写真を交えた説明に、参加者の皆さんも興味深く聞き入っていました。
カッコウの不思議な生態を通して、生きもの同士の複雑な関わりや進化の面白さについて学ぶことができる、大変興味深い講演となりました。


トークセッション
日本野鳥の会 岐阜 顧問 大塚 之稔 氏
NPO法人 森と水辺の技術研究会 副理事長 平田 亨 氏

トークセッションでは、NPO法人 森と水辺の技術研究会 副理事長の平田 亨さんにコーディネーターとして進行を務めていただくとともに、参加者の皆さまから寄せられた質問に対し、講師の大塚さんに分かりやすくご回答いただきました。

<大塚講師への質疑応答>

Q1 鳥類やカッコウの種類はどれくらいいますか?

A1 世界には約1万種の鳥類が確認されています。カッコウの仲間(カッコウ科)は世界で約80種、そのうち約40種が托卵を行うことが知られています。日本で見られるカッコウ科の鳥には、カッコウ、ツツドリ、ホトトギス、ジュウイチなどがいます。托卵の方法や繁殖戦略は種類によってさまざまで、まだ解明されていないことも多くあります。

Q2 鳥の卵にはなぜ模様があるのですか?

A2 卵の模様は、卵が輸卵管を通る際に形成されると考えられています。模様のつき方には個体差があり、同じ親鳥では似た模様になる傾向があります。また、托卵を行うカッコウでは、仮親の卵によく似た模様の卵を産む個体が生き残ってきた結果として、現在のような卵の模様が進化したと考えられています。

Q3 カッコウが托卵できなかった場合、卵はどうなるのですか?

A3 托卵の機会が得られなかった卵は、体内で吸収され栄養として利用されると考えられています。ただし、すでに産卵直前まで成熟していた場合には、近くの巣などに産み落とされる可能性もあります。

Q4 カッコウは体温が低いため托卵するようになったのですか?

A4 体温の低さが托卵の起源であるという説はありますが、托卵がどのように進化したのかは現在も明確には分かっておらず、体温だけでなく繁殖戦略や生態などが複雑に関係していると考えられています。

Q5 托卵へ進化する途中段階の鳥はいるのでしょうか?

A5 います。カッコウの仲間のキバシカッコウは、自分で巣を作って子育てをする種類も存在します。また、ツバメ類などでは同種の別個体の巣に卵を産む「同種内托卵」が見られることがあります。

Q6 カッコウのメスに母性本能はあるのでしょうか?

A6 現在のところ、カッコウが自分のひなを見守ったり世話をしたりする行動は確認されていません。成長したひなも親との関わりを持たずに独立すると考えられています。

Q7 カッコウのひなは、自分がカッコウだとどうやって認識するのですか?

A7 詳しい仕組みは分かっていませんが、托卵行動や渡りなどは学習によるものではなく、本能として備わっていると考えられています。仮親に育てられても、成長するとカッコウとしての行動を取ることから、そうした性質は遺伝的に受け継がれている可能性が高いと考えられています。

Q8 仮親となる鳥にはメリットがあるのでしょうか?

A8 現在のところ、仮親側に明確な利益があるとは考えられていません。むしろ、自分の子育ての機会を奪われるなど不利益が大きく、カッコウに対抗するための能力を進化させてきたと考えられています。仮親にとっては「迷惑な存在」といえるでしょう。

情報提供:北海道のツツドリがチョコレート色の卵を産んだ件について。

通常、ツツドリは青白い卵を産みます。しかし北海道では、ウグイスに托卵するためチョコレート色の卵を産むツツドリが確認されています。この現象は、托卵相手に合わせて卵の色が進化した例と考えられており、地域ごとの進化の違いを示す興味深い事例です。


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