達目洞は多くの貴重な動植物が生活する生き物の宝庫です。
現在の姿の原型となるのは約350年前まで遡り、
武芸の達人であった臼井岩入(うすいがんにゅう)が
切り開いたのが最初だと言われています。
中央を流れる逆川は、その臼井岩入が耕作(湿地の排水用など)
のために整備したと伝えられています。
絶滅危惧種であるヒメコウホネをはじめとした水生生物のすまいであり、
達目洞自然の会が中心となり、大切に保護・保全されています。
現在でも、逆川では達目洞自然の会によって竹を使用した
昔ながらの保全が行われています。
しかし、最近では護岸に使用している竹の痛みが進んできました。
<岸部を歩くとギシギシ音がします>
このままでは岸部が崩落してしまう!と言うことで、
達目洞自然の会により古くなった竹を交換し、
護岸の補修が行われることになりました。
補修のすべてを一息に終わらせることは困難なので、
まずは材料の竹集めから始めます。
竹は、350年も前に達目洞を開拓した、
臼井岩入の子孫にあたる臼井家の竹林からいただくことになりました。
護岸に使用する竹なので丈夫で水に強いことが必要です。
ある程度、年数の経った竹の方が良いだろうということで、
生えてから3年目くらいの竹を狙いました。
竹の年を見る目安は軸の色です。
軸の白色が剥げて緑色が濃くなったものが年数の経ったものだそうです。
<これが狙い目!>
<枝は木の棒で叩き払うときれいに取れます>
ところで、この竹取りには材料集めの他に重要な役割があります。
それは、「竹林の間伐」です!
<重なるように生えた竹で薄暗い竹林>
間伐を行うことにより、林内に陽光が差し込むため
背の低い植物の生育が可能になり、多くの動植物が住めるようになります。
さらに、見た目もすっきりとして美しくなります。
材料集めと間伐、一石二鳥の活動ですね。
のこぎりを動かすザッザッという音、
枝を払う時のカーンという音が響くこと数時間。
<明るくなりました>
肝心の材料集めもばっちりです。
<およそ200本の竹が集まりました>
達目洞自然の会のみなさま、お疲れ様でした!
今後はこの竹を使用した護岸補修が行われます。
自然環境課 木村