キバネツノトンボ
岐阜ファミリーパーク内を散策していると、タンポポの茎にしがみついている、キバネツノトンボの成虫を発見しました。キバネツノトンボは、アミメカゲロウ目-ツノトンボ科に分類されます。国内ではツノトンボ科に属する昆虫は、キバネツノトンボ、ツノトンボ、オオツノトンボ、オキナワツノトンボ、ヤエヤマツノトンボの5種類が確認されています。ツノトンボ科の昆虫の名前には「トンボ」がつきますが、トンボの仲間ではなく、アミメカゲロウの仲間です。どちらかと言えば、ウスバカゲロウ(アリジゴク)と近い種です。トンボではないのに名前に「トンボ」とついている理由は、翅を広げて飛んでいる姿がトンボに似ているからです。そして、触覚が「ツノ」に見えるため、「ツノトンボ」と呼ばれています。今回発見したのは成虫のみですが、幼虫の見た目は毛の生えたアリジゴクのような姿をしており、陸上で生活しています。トンボの幼虫(ヤゴ)は水中で生活しているので、この点からも、トンボとは違う昆虫だということが分かります。 キバネツノトンボの成虫の見た目は写真のとおり、前翅は透明で後翅は黄色と黒の模様が特徴的です。また、蝶のように先端が丸い形の触覚も印象的です。体は全体的に黒く、長い体毛がふさふさと生えています。 成虫も幼虫も肉食で蝶やハエなどの小昆虫を捕食します。 黄色と黒という色合いから、蜂のように毒を持っているのでは?と不安を感じる方もいるかもしれませんが、毒はありません。 キバネツノトンボは、日本の固有種です。宅地開発などにより、生息地である草地や湿地が減少したため数を減らしたと言われています。地域によっては絶滅危惧種に指定されています。これ以上、数を減らして絶滅してしまわないように見守っていきたいですね。 |
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岐阜市少年自然の家 長谷