加納中学校では1年生を対象に
「職業に関する学習」を行っています。
この学習の狙いは、さまざまな職業の方のお話を通して、
生の雰囲気を感じ取ってもらい、
将来の進路決定の助けとすることです。
「職」を意識することで、
日々の学習に対する目的意識も向上しそうです。
「人に関わる職業」、「物に関わる職業」など、
さまざまな場面で「職業に関する学習」が行われていますが、
岐阜市少年自然の家にて野外学習を実施するということもあり、
「自然に関わる職業」について学習しました。
<学習開始前の記念写真>
自然に関するNPO法人の方、行政の方、民間企業を経験された方、
様々な経歴をもった方が講師として招かれました。
自然のフィールドを散策しながら、
講師から職業に関する話がされました。
職業に関する話もさることながら、
どの講師もついつい自然の面白話しに熱がはいってしまいます。
職種は違えど、自然に関する熱意は共通です。
続いて森と水辺の技術研究会の野村さんより
岐阜県の森林に関するお話がありました。
その中で、日本では年間200億本もの割り箸が使用されているが、
そのほとんどが中国からの輸入であり、
端材や間伐材を使用した国産の割り箸を
使ってもらいたいというお話がありました。
国産の割り箸は輸入品よりも高額です。
散策の際に「自然にお金を払ったことがある人?」
という質問を生徒にされた講師がいましたが、
そういった割り箸を使うことも
自然にお金を払うというひとつの姿ではないでしょうか。
裏を返せば、「高くても買ってもらうためにはどうすればよいか?」
それを考えることこそ「職業」なのかもしれません。
その後は、実際にのこぎりを使った体験の時間です。
まずは、体験用のヒノキを講師が切り出します。
<細いながらも間近でみると意外と迫力満点のヒノキの搬出>
木を切る際の注意やのこぎりの使い方の説明を受けた後、
生徒達はその場で間伐したヒノキの枝や幹を
のこぎりで切っていきました。
学校の技術の時間とは違う生木に、のこぎりが抜けなくなったり、
切った枝が跳ねてきたりと苦戦しながらも、
夢中になってのこぎりを動かしていました。
<足で押さえれば押さえるほど、のこぎりが木で挟まる(泣)>
<切り口が広がるように工夫をすれば切りやすい>
生徒たちの奮闘に負けず、さすがは先生、
目の付け所がシャープです。
ヒノキの樹皮がむけた部分から汁が出てきているのを発見されました。
周りにいた講師に早速質問。
<樹皮がむけた部分からでてきた汁について質問をする先生>
「あっ、そうなの?」
そんな声が聞こえてきそうな写真ですね。
木は幹の内側で水を吸うのではなく、
幹の外側で水をすっていることがわかりました。
水分をたっぷり吸い上げているから汁がでてきたのですね。
そんなこんなで、のこぎり体験は、大盛況。
「僕が!」「私が!」と居合わせた全員が体験希望
をする熱気がありましたが、時間不足などもあり、
講師も生徒も先生も泣く泣く20名で体験終了。
体験できなかった(?)生徒の一人は、
手首に乗ったカエルにいやされていたようです(笑)
短い時間ながら、この実習を通して
自然に関わる仕事について学ぶだけでなく、
森林体験の楽しさも感じてくれたようです。
その様子を見ていた先生方は、
早速講師の方と今後の取り組みについて相談されていました。
このような着実に歩みを進めていくための学校の取り組みがあり、
未来の日本をささえる若者がはばたいていくのだと感じました。
将来の職業をイメージしながら、
楽しみながら学校生活頑張ってくださいね。
自然環境課 坂井