ヤマガラの大好物、エゴノキの実
写真に写っている愛らしい木の実は、エゴノキの実です。 エゴノキは花期(写真3枚目)を5月~6月頃に迎え、7月~11月頃に実をつけます。 写真1・2枚目の実は、まだ若い状態の果実です。秋になると果皮の色が茶色に変化します。その後、果皮が破れて種がでてきます。種の形はラグビーボールのような形をしています。
有名な話ですが、エゴノキの実(主に果皮)には、サポニンという成分が含まれています。 子どもがふざけて緑茶のペットボトルを振った時、ビールのように泡立っている様子を見たことはありませんか?あの泡立ちはサポニンによるものです。サポニンには界面活性剤の効果があり、良く泡立つのです。緑茶特有の苦みもサポニンが一役買っています。 エゴノキの名前の由来は、実を食べると「えぐい」ことからだと言われています。この「えぐみ」は、まさにサポニンによるものなのです。果皮は多くのサポニンを含んでいます。たくさんのサポニンを摂取するのは危険ですので、エゴノキの実は食べないでくださいね。
そんなエゴノキの実は、ヤマガラ(写真4枚目)という鳥の大好物です。 ヤマガラは秋になると、くちばしで果皮をつついて割り、種を取り出します。取り出した種はその場で食べず、冬を越すための食糧として木の根元などに貯蓄します。これを貯食行動といいます。あちこちにエゴノキの種を分散して溜め込むことで、餌の確保が難しい冬場の食糧を確保しているのですね。 このような鳥の行動は、エゴノキにとってもメリットがあります。 貯食された種は、全てが食べられる訳ではありません。ヤマガラが食べなかった種は、やがて芽をだして、成長していくのです。ヤマガラが種を運ぶことで、エゴノキはより広い範囲に種をまくことができるのです。 ちなみに、ヤマガラは岐阜市少年自然の家のマスコットキャラクターでもあります。 岐阜市少年自然の家の前にも、大きなエゴノキが生えています。岐阜ファミリーパークの中にもいくつか自生しています。 訪れた際には、ぜひ、エゴノキの実を観察してみてください。 |
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岐阜市少年自然の家 長谷