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大洞の里山散策 【後編】


2008-09-04

大洞の里山散策の後編です。

キセルアザミ@大洞
<キセルアザミ>
湿地化した放棄水田の一角に分布するキセルアザミ群落を見にいきました。花にはまだ少し早いかと思いましたが、一輪だけ咲いていました。花がうなだれるように下を向いて咲く姿が煙管に似ているため“キセルアザミ”だそうです。
アザミの仲間を見分けるのは難しく私もさっぱりですが、市内で9月頃に湿地で花を下に向けて咲いているアザミがあれば、キセルアザミだろうと個人的に判断しています。ちなみに花が終わると茎が直立します。人間的発想では逆のような感じがしますが。

ノリウツギ@大洞
<ノリウツギ>
放棄され、数年間放置された水田に最初に侵入してくる樹木がこのノリウツギではないでしょうか。樹液を和紙をすく際の糊に利用したことから糊ウツギというそうです。花を見てお判りのとおり、アジサイの仲間です。花は美しいのですが、ノリウツギがびっしり花を咲かせている放棄水田の姿は少々悲しくもあります。

ヘクソカズラ@大洞
<ヘクソカズラ>
林縁の草むらなどでよく見かけるツル植物です。漢字で書くと屁糞葛。文字にするのもはばかられるような名前ですが、万葉集にも登場する由緒正しい植物です。名前の由来は葉っぱを揉んで匂いをかいでみるとわかるそうです。私も試してみましたが、“屁糞”は言い過ぎじゃないかと感じました。

ツリガネニンジン@大洞
<ツリガネニンジン>
根っこが太く朝鮮人参に似ていることからニンジンと呼ばれていますがキキョウの仲間です。釣鐘型の薄紫の花が並んで咲いている姿がかわいらしく、路傍で見かけると個人的にちょっと嬉しい植物です。ところで写真の中のカマキリに気が付きました?

ニッポンマイマイ@大洞
<ニッポンマイマイ>
カタツムリにも色々ある、ということを知っている人は意外に少ないのでは。かく言う私もあまり知りませんが、とりあえずこれは殻の高さが高く、縁が角張っているところからニッポンマイマイではないかと。彼が熱いアスファルトの上を移動しなければならない理由は何だったのでしょう。

檻罠@大洞
<イノシシの檻ワナ>
大洞の里山を歩くとあちこちでイノシシが荒らした痕跡を見かけます。大洞にイノシシが出没するようになったのは、つい2〜3年前からだそうです。里山から人が姿を消し、里山の奥山化が進行したため、自然界と人間界の緩衝地帯が無くなり、イノシシがいきなり里の水田に現れるようになっているのです。捕獲という対症療法だけでは解決しきれない問題の根の深さを痛感します。

自然環境課 吉村


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