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カスミサンショウウオ保護・保全の現場 その2


2012-03-06

前回はカスミサンショウウオ保護・保全の概要をお伝えしましたが、
今回は産卵場所の確保、卵のうの保護について
お伝えしたいと思います。

岐阜市内唯一のカスミサンショウウオ生息地は、
繁殖場所となる水場が駐車場の側溝であり、
大変不安定な環境です。

カスミサンショウウオが安全に安心して産卵できるようにするために
岐阜市では関市在住の村瀬文好さん(岐阜市自然環境基礎調査員)
のご協力を得て、次のような工夫をしてきました。

1、側溝の水位が安定するための措置
2、汚れた水が流れこまないための措置
3、カスミサンショウウオが卵を産みやすくする為の措置

具体的には、
カスミサンショウウオ繁殖場所の下流部に土のうを設置すること、
カスミサンショウウオの繁殖場所に溜まり過ぎた土砂を除去すること、
により水深を確保し、水枯れが起きにくい状況をつくります。
土のう設置場所の下流には生活排水が流れ込む箇所があるのですが、
土のう設置は汚水が上流に逆流することの防止にもなります。

土のう設置個所の様子

<土のう設置箇所の様子>

カスミサンショウウオは水中の枯れ枝や小石の裏などに
卵を産み付けることが知られていますが、
枯れ枝の代わりに束ねた稲わらを設置することで、
卵を産みやすくする環境を作り出しています。

稲わら設置個所の様子

<稲わら設置箇所の様子>

こうした努力の甲斐もあり、
産卵数は年々増え、
昨年は37個の卵のうが確認できました。

ちなみに、冬から春にさしかかる
本日(平成24年3月6日)のような降雨後の暖かい日は
カスミサンショウウオにとって絶好の産卵日となっています。

今回はここまで。
次回は卵のうと成体のその後についてお伝えしたいと思います。

自然環境課 井戸


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