【バラ科サクラ属の落葉高木】
丘陵地から山地に生育するサクラの野生種のひとつで、これを原種として選抜された栽培品種も多い。落葉高木で、サクラの仲間では寿命が長く大木になる品種。多くの場合葉芽と花が同時に開く。日本の野生の桜の代表的な種で、和歌にも数多く詠まれている。日本列島、朝鮮半島に分布。開花時期は3月〜4月頃。
ヤマザクラは同一地域の個体群内でも個体変異が多く、開花時期、花つき、葉と花の開く時期、花の色の濃淡と新芽の色、樹の形など様々な変異がある。同じ場所に育つ個体でも一週間程度の開花時期のずれがあるため、同じサクラでもソメイヨシノと異なり、短期間の開花時期に集中して花見をする必要はなく、じっくりと観察できる。ソメイヨシノの植栽の普及する前の花見文化はむしろ、このように長期間にわたって散発的に行われるものであった。
花弁は5枚で、色は一般的に白色、淡紅色だが、淡紅紫色や先端の色が濃いものなど変化も見られる。樹皮は暗褐色または暗灰色。
「吉野の桜」とは、この山桜を指すものであり、日本の象徴とされた桜でもある。
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