写 真 |
種 名 |
種の解説
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歌 |
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コウゾ
(たく・栲) |
【クワ科の落葉低木】
ヒメコウゾとカジノキの雑種であり、和紙の原料としても使われている。「紙麻(かみそ)」と言う語の音便より「こうぞ(かうぞ)」という語が生まれたとする説も存在するほど、古くから和紙材料として知られており、今日でも和紙の主要原料としている。コウゾの皮の繊維は、麻に次いで長く繊維が絡み合う性質が強く、その紙は粘りが強く揉んでも丈夫な紙となる。古くは、檀紙は真弓紙とされているが、平安後期以後の檀紙はダンシと読まれ、楮紙とされている。コウゾの果実は集合果で、甘味があって食べられるが、花糸部分が残っており舌触りが悪いので、クワの実のような果樹としての価値はない。
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コウヤボウキ
(たまばはき・箒)
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【キク科コウヤボウキ属
の落葉小低木】
高野山で茎を束ねて箒の材料としたのでこの名がある。関東から九州までの山林の日当たりのよいところに見られる。高さは数十cmで茎は細いが硬い。葉は幅広い卵型。頭状花は筒状花のみ十数個からなり、白い房状、長さ1.5cmほどで、秋に1年目の茎の先に咲く。
玉箒(たまぼうき、古くは「たまははき」)と呼ばれて古くから箒の材料とされ、正月の飾りなどにもされた。
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コナギ
(こなぎ・小水葱)
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【ミズアオイ科に分類される一年性の水田雑草】
一年草で、地下茎などは持たない。全株やわらかく、緑色で葉身表面はつやがある。晩夏から晩秋にかけて葉柄の基部に短い房状の穂を出し花をつける。花はホテイアオイのそれに似るがずっと小さく、花弁はより細長い。花色も青紫となり異なる。東アジア全域に広く分布し、日本国内でもほぼ全土にわたって見られる。日本人との付き合いは古く、同属のミズアオイと共に万葉集に本種を読んだ歌が収録されている。また江戸時代頃までは食用にされていた。
しかし今日の日本では、水田耕作における強害草のひとつに数えられている。本種は成長に際し過分な窒素分を要求するので、水田に生えた場合イネの窒素吸収を阻害する。そもそも発芽に際して酸素を嫌うという変わった性質から、地表を水で覆う水田は結果として本種に絶好の環境を提供している。ゆえに無農薬農法によるコメ作りをしている田に執拗に生え、こうした農法に従事する農家の悩みのタネになっている。 |
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コナラ
(こなら・木楢)
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【ブナ目ブナ科コナラ属の落葉広葉樹】
高さは10mほどになる。樹皮は赤褐色できめが細かい。葉は両端のとがった楕円形で互生。
日本では雑木林に多く見られる。葉は長楕円型で縁にとがった鋸歯がある。花は4
- 5月、若葉が広がる時に咲き、秋に実(ドングリ)が熟す。樹皮は灰色で、縦に裂け目ができる。
落葉樹だが、秋に葉が枯れた時点では葉柄の付け根に離層が形成されないため葉が落ちず、いつまでも茶色の樹冠をみせる。春に新葉が展開するころに枯れた葉の基部の組織で離層が形成され、落葉が起きる。
材は木炭の原料や、シイタケの原木に使われる。多くの菌類と菌根を作るため、コナラ林には多くの菌根性のきのこが出現する。
クヌギ、アベマキと並んで人里の薪炭材とされ、重要な燃料源であったが、1960年頃以降、燃料の需要の主力が木材から化石燃料へと変化したことで、薪炭林としての位置づけは失われた。 |
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こなら
(母蘇)
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サネカズラ
(さねかずら)
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【マツブサ科の常緑つる性木本】
ビナンカズラ(美男葛)ともいうが、これは昔つるから粘液をとって整髪料に使ったためである。関東地方以西、西日本から中国南部までの照葉樹林によく見られる。庭園に植えることもある。葉は長さ数cmでつやがあり互生する。ふつう雌雄異株で、8月頃開く花は径1cmほど、10枚前後の白い花被に包まれ、中央におしべ、めしべがそれぞれ多数らせん状に集まる。雌花の花床は結実とともにふくらみ、キイチゴを大きくしたような丸い集合果(単果は径1cmほど、全体では5cmほど)をつくって冬に赤く熟しよく目立つ。果実を漢方薬の五味子(チョウセンゴミシ)の代わりに使うこともある。
古歌にもしばしば「さねかづら」「さなかづら」として詠まれ、「さ寝」の掛詞として使われる。
名にし負はば
逢坂山のさねかづら 人に知られで くるよしもがな
(藤原定方、百人一首25/後撰和歌集) |
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サンカクイ
(しりくさ・知りくさ)
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【単子葉植物カヤツリグサ科に属する湿地性の多年草】
サンカクイの和名の由来は、三角形のイグサ(藺草)から。名前の通り、茎の断面は三角で、イグサに似た姿をしている。大きな群落を作る。地下茎は水中の泥の中で横に這い、まばらに花茎を上に伸ばす。花茎は高さ1m程に伸び、太さは1cm近くなる。深緑色でつやがあり、やや硬い。花茎の基部には少数の長い鞘があり、葉身が数センチの長さで生じるので、花茎の下の方に小さな葉が着いているような形になる。花茎は根元から先端までに節がない。
秋には花茎(稈)の先端から花序を生じる。花序のすぐ下に1つの苞があって、花茎の延長のように発達し、先端はとがる。したがって、実際には先の尖った茎の先端より下から、花序が横に出るような姿となる。つまり、イグサのような姿である。湿地や浅い池に生育する。やや浅い場所で、一面に繁殖し、まばらな群落を作り、北海道から琉球列島にまで分布する。 |
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シキミ
(しきみ)
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【シキミ科の常緑小高木】
日本では本州中部以南に分布し、中国にも分布する。高さは10m程度となる。樹皮は暗い灰褐色になる。葉は、枝の先端に集まってつき、短い葉柄を持つ楕円形で、深緑色でつやがある。葉の質はやや厚く、何となく波打ったようになることが多い。花びらは淡黄色で細長く、ややねじれたようになる。果実は扁平で周囲に8本の突起が出ている。上面が裂開し種子が出る。花や葉、実、さらに根から茎にいたる全てが毒。特に、種子に毒の成分が多い。
シキミの語源は、実の形から「敷き実」、あるいは有毒なので「悪しき実」からといわれる。古代にはサカキと同様に神事に用いられたといわれるが、その後仏事に用いるようになった。そのため、神式の榊(=サカキ)に対応させる形で梻(木偏に佛、「佛」は仏の旧字体)という国字もある。
植物体全体にアニサチンなどの有毒物質を含み、特に果実に多く、食べれば死亡する可能性がある程度に有毒である。実際、下記のように事故が多いため、シキミの果実は植物としては唯一、劇物(毒物及び劇物取締法を参照)に指定されている。中毒症状は嘔吐、腹痛、下痢、痙攣、意識障害等で、最悪の場合は死亡することもある。
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ジャケイバラ
(さうけふ)
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【マメ科ジャケツイバラ属の落葉低木】
宮城・山形県以南の本州から琉球までの日本各地、朝鮮・中国に分布するツル性の落葉低木。急傾斜地や河原などに生育し、花崗岩などの保水性の低い土壌が形成されやすい場所ではほとんど見られず、岡山県では古生層地域などの急傾斜地などに見られる。茎や葉の中脈には著しい棘がある。葉は2回羽状。花は美しく、5月に30cm程の花穂を付ける。花は直径25〜30mmで黄色、中央上の花弁には赤紫色の網目紋がある。雄しべは赤色を帯びている。豆果には10個前後の種子が入っており、秋に裂開するが種子はなかなか散布しない。強い風が吹くのを待っているのであろうか。
和名は「蛇結イバラ」であり、茎が互いに結びあって蛇がとぐろを巻いているように見えるためという。 |
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